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アジア太平洋戦争: Home

はじめに

戦争に関しては、数多くの文献があるが、アジア太平洋戦争(戦前日本は「大東亜戦争」と呼んだ)に関する資料を中心に紹介する。

1.戦争を多角的に考える

 近代の日本人が戦争を選んだ要因を多角的に考察したものとして、加藤陽子氏の一連の著作を挙げておく。『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』『戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗』は高校生たちに向けて話したもので読みやすい上に、多くの発見がある。小林秀雄賞を受賞した『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』は文庫化され、ベストセラーになった。

2.昭和戦前期の戦争の歴史に関する基本文献

 昭和戦前期の戦争に関する史実を追った基本的な著作として、上記を挙げておく。『決定版 大東亜戦争』(上)(下)は、最新の成果である。

3.戦争責任

 戦争責任とは、誰が誰に対してどのように負うのか。満州事変からアジア太平洋戦争までの15年戦争における惨禍の実際をさまざまな証言・資料で明らかにしつつ、日本国家、日本国民、連合国等の責任主体に即して、法的・倫理的責任を分析した文献である。出版された1985年は、周辺アジア諸国から日本の戦争責任を問う声が一段と高まった時期であり、本書は多くの反響を呼んだ。

4.写真から戦前を体感する

 写真を通じて、戦前の様子や、銃後の人々の暮らしを実感できる書を挙げた。

5.空襲

  アジア太平洋戦争における宮崎県内の戦争被害は、アメリカ軍による空襲が大きな比重を占める。そのため空襲を考えるための文献を挙げた。『東京大空襲―昭和20年3月10日の記録―』は、東京大空襲の悲惨さを明らかにした古典的名著。『日本の空襲 八 九州』は、宮崎県をはじめとする九州各県の空襲に関する手記などを集成している。アジア太平洋戦争末期の沖縄戦により、アメリカ軍は沖縄に出撃基地を獲得し、宮崎県をはじめとする九州各地の空爆を行った。『沖縄からの本土爆撃―米軍出撃基地の誕生―』は、この事実を明らかにしている。社会学の立場からの『空爆論―メディアと戦争』について、同書の案内文には、次のようにある。
 「「視ること」は「殺すこと」である――支配し、侵略し、殺害する「上空からの眼差し」としての空爆は、第一次世界大戦や日本空爆、朝鮮空爆などを経て、いかに変容し、遠隔爆撃ドローンや現在の戦争における空爆の眼差しへと至ったのか。ウクライナ侵攻まで一貫してつながる「メディア技術としての戦争」を問い直す。

6.宮崎の戦争と戦争遺跡

 『宮崎県史』通史編 近・現代2は、宮崎の戦争に関する基本的な文献である。
 文化財としての戦争遺跡という考え方が定着しており、さまざまな調査が行われている。『近代日本の戦争遺跡―戦跡考古学の調査と研究―』は、近代の戦争遺跡に関する第一人者による著作である。宮崎市の平和台公園にある八紘一宇の塔(現在は「平和の塔」とも呼ばれる)は、戦争遺跡の一つとみてよい。この塔の一部には、日中戦争中に中国の占領地から奪った石碑や植民地朝鮮の石碑が使用されている。『新編 石の証言―「八紘一宇」の塔[平和の塔]の真実―』は、「八紘一宇」の塔を考える会による長年の調査を集成したものである。
 長年、宮崎の戦争について研究と教育普及にあたってきた福田鉄文氏の三部作を挙げた。宮崎の戦争遺跡を紹介したものが『宮崎の戦争遺跡 旧陸・海軍の飛行場跡を歩く』、日向市、さらには宮崎県の人々の戦争体験を集成したものが、『私たちの町でも戦争があった アジア太平洋戦争と日向市』と『アジア太平洋戦争と宮崎県 県民はどのような戦争を体験したか』である。
  『宮崎の戦争と若者たち 太平洋戦争を語りつぐ4つの物語』は、戦争体験を語り継ぐための、新しい叙述のスタイルを開拓した本である。著者は、体験集をはじめ、戦没者を顕彰する碑文、戦没者の同級生の話などを深く読み込んだ。その上で、戦没者個々の人物像を明らかにし、時系列に即したストーリーとして再構成している。

 

7.その他

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作成日:2023年10月

作成・監修 関 周一
授業名
 基礎教育「現代社会と歴史(1)」「宮崎の近代と戦争」
 教育学部「日本史概論」「日本史特論」

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