Systematic Reviewは日本語では「系統的レビュー」または、そのまま「システマティック・レビュー」と翻訳されます。SRと省略されることもあります。
類似の研究をしている論文を網羅的に集め、研究デザインが不適切なものを除外した上で、バイアス(偏り)を補正・統合し、結論を出した論文がシステマティック・レビューです。
コクランではこのやり方を厳密に定義し公開することで一定の信頼性を保っています。これによりコクランのシステマティック・レビューは質の高いエビデンスに基づく医療情報として世界的に利用されています。
コクランの定義する手法以外で行われたシステマティック・レビューもありますが、個々の内容について批判的吟味を行った上で利用する必要があります。
「メタアナリシス」「メタ解析」と呼ばれる類似の研究手法があり、システマティック・レビューと同じ意味で使われていることがありますが、メタアナリシスはシステマティック・レビューに統計的手法を加えたものです。
個々の研究(論文)を一次研究と言い、一次研究を対象にするシステマティック・レビューやメタアナリシスなどの研究を二次研究と言います。
PubMedでは検索結果一覧画面の左側にフィルターがあり、「Systematic Review」や「Meta-Analysis」など論文の種類にチェックを入れて絞り込むことができます。
Cochrane Library は2018年に大規模なリニューアルがあり、追加・削除された機能があります。Web上で使い方を探す時は日付に注意してください。
※日本語のユーザーガイドは情報が古く、実際の画面と異なる場合があります。
公式サイトのお知らせ「Cochrane Library: what's new and release notes」に更新情報が掲載されているので定期的にチェックしてください。
2018年までコクラン以外で作成されたシステマティック・レビューを検索できるDARE(Database of Abstracts of Reviews of Effects) というデータベースがありましたが廃止され、その後継としてEpistemonikos というデータベースが追加されました。リニューアル以降のユーザーガイドや紹介資料には検索結果のタブにEpistemonikosへのリンク (「Other Reviews」タブ) が表示されると記載されています。
その頃のユーザーガイドを参考にコクランライブラリーを検索しても、現在はEpistemonikosのリンク (「Other Reviews」タブ) は表示されません。更新情報では2022年10月25日にCochrane - Epistemonikosのパートナーシップ変更に変更があったとアナウンスされています。
次のリンクは上記の注意をふまえた上でご利用ください。
Cochrane Libraryの日本語ガイドやチュートリアル動画がWiley社のページに掲載されています。
※本学で契約しているデジタルコンテンツ配信サイト「メディカルオンライン」で"Cochrane Library" "コクラン ライブラリー" 等のキーワードで探しても関連記事がヒットします (内容が古い場合もありますので日付を確認してください)。
コクランは、2013年以降に出版されたシステマティック・レビューについては12ヶ月後に一般に無償公開しています。
2025年までに新規・改訂両方のレビューについて完全オープンアクセス化することを目指しています。
(出版後12か月以内のレビューやClinical Answersの本文閲覧にはWiley社との契約が必要です)。
上記の内容は次のリンクから確認できます。
対象: 宮崎大学教職員・医学部学生
公開日:2023年8月23日 ※最終更新日はページ末尾に表示
データベース等の検索結果は全て公開日時点のものです。
作成者:宮崎大学附属図書館職員