本学からのアクセス / Systematic Review (システマティック・レビュー)とは? / ガイド・チュートリアル等 / コクランのオープンアクセス戦略 / 参考( 外部サイト / 図書館資料 )
類似の研究をしている論文を網羅的に集め、研究デザインが不適切なものを除外した上で、バイアス(偏り)を補正・統合し、結論を出した論文がシステマティック・レビューです。日本語では「系統的レビュー」と翻訳されたり、SRと省略されることもあります。
コクランではこのやり方を厳密に定義し公開することで一定の信頼性を保っています。これによりコクランのシステマティック・レビューは質の高いエビデンスに基づく医療情報として世界的に利用されています。
コクランの定義する手法以外で行われたシステマティック・レビューもありますが、個々の内容について批判的吟味を行った上で利用する必要があります。
「メタアナリシス」「メタ解析」と呼ばれる類似の研究手法があり、システマティック・レビューと同じ意味で使われていることがありますが、メタアナリシスはシステマティック・レビューに統計的手法を加えたものです。
両者を区別する場合は、統計的分析を行わないシステマティック・レビューを「定性的システマティック・レビュー」、メタアナリシスのことを「定量的システマティック・レビュー」と言います。
個々の研究(論文)を一次研究と言い、人間を対象とした臨床研究がエビデンスとなります (言いかえると、動物実験や試験管での結果はEBMのエビデンスとしては扱われません)。臨床研究にはRCT(ランダム化比較試験)・コホート研究・症例対照研究・横断研究などがあります。
それら一次研究を対象に研究(論文作成)するのが二次研究で、システマティック・レビューやメタアナリシスなどがこれに該当します。
PubMedでは検索結果一覧画面の左側にフィルターがあり、「Systematic Review」や「Meta-Analysis」など論文の種類にチェックを入れて絞り込むことができます。
コクランではシステマティックレビューに着手する前に「プロトコル」という課題へのアプローチ案の説明を作成し、データベースに登録します。SRの著者は取り組む問題の概要、SRに含める研究を評価する基準、レビュープロセスを管理する方法を「プロトコル」で説明します。
プロトコルには、健康問題や調査中の介入、有益性と有害性の測定方法、適切な研究デザインの種類を定義する情報が含まれています。
また、プロトコルは、レビューにおける研究の特定、評価、要約のプロセスを概説しています。
データベースに登録・公開されたプロトコルはレビュー著者がどのように研究課題に答えるつもりかを示す公的な記録となります。
Cochrane Library は2018年に大規模なリニューアルがあり、追加・削除された機能があります。Web上で使い方を探す時は日付に注意してください。
※日本語のユーザーガイドは情報が古く、実際の画面と異なる場合があります。
公式サイトのお知らせ「Cochrane Library: what's new and release notes」に更新情報が掲載されているので定期的にチェックしてください。
2018年までコクラン以外で作成されたシステマティック・レビューを検索できるDARE(Database of Abstracts of Reviews of Effects) というデータベースがありましたが廃止され、その後継としてEpistemonikos というデータベースが追加されました。リニューアル以降のユーザーガイドや紹介資料には検索結果のタブにEpistemonikosへのリンク (「Other Reviews」タブ) が表示されると記載されています。
その頃のユーザーガイドを参考にコクランライブラリーを検索しても、現在はEpistemonikosのリンク (「Other Reviews」タブ) は表示されません。更新情報の2022年10月25日にCochrane - Epistemonikosのパートナーシップ変更が反映されたというアナウンスがあります。
次のリンクは上記の注意をふまえた上でご利用ください。
Cochrane Libraryの日本語ガイドやチュートリアル動画がWiley社のページに掲載されています。
※本学で契約しているデジタルコンテンツ配信サイト「メディカルオンライン」で"Cochrane Library" "コクラン ライブラリー" 等のキーワードで探しても関連記事がヒットします (内容が古い場合もありますので日付を確認してください)。
コクランは、2013年以降に出版されたシステマティック・レビューについては12ヶ月後に一般に無償公開しています (出版後12か月以内のレビューやClinical Answersの本文閲覧にはWiley社との契約が必要です)。
今後も出版収入に依存せず、著者への負担を増やすことのない形での完全オープンアクセスを目指すため、複数年にわたる包括的なロードマップを作成していると上記リンク先でアナウンスされています。
対象:宮崎大学教職員・医学部学生
公開日:2023年8月23日 ※最終更新日はページ末尾に表示
データベース等の検索結果は全て公開日時点のものです。
作成者:宮崎大学附属図書館職員